出題内容について
老齢厚生年金からの出題です。
設例
X株式会社(以下、「X社」という)に勤務するAさん(53歳)は、妻Bさん(50歳)および長男Cさん(19歳)との3人暮らしである。
Aさんは、昨年4月に長男Cさんが大学に入学し、教育資金に目途がついてきたことを機に、Aさんおよび妻Bさんの老後の年金収入の準備について検討を始めたいと考えるようになった。Aさんは、その前提として、公的年金制度からの老齢給付の金額等を理解しておきたいと思っている。
そこで、Aさんは、懇意にしているファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。Aさんの家族構成等は、以下のとおりである。
〈Aさんの家族構成〉
Aさん :
昭和39年10月9日生まれ
会社員(厚生年金保険・全国健康保険協会管掌健康保険に加入中)
X社が実施している確定給付企業年金の加入者である。
妻Bさん :
昭和42年12月11日生まれ
Aさんの加入する全国健康保険協会管掌健康保険の被扶養者である。
長男Cさん :
平成10年6月21日生まれ
〈公的年金加入歴(60歳までの見込み期間を含む)〉

※妻Bさんは、現在および将来においても、Aさんと同居し、生計維持関係にあるものとする。また、就業の予定はないものとする。
※家族全員、現在および将来においても、公的年金制度における障害等級に該当する障害の状態にないものとする。
※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
問題
《問2》次に、Mさんは、Aさんに支給される老齢厚生年金について説明した。MさんのAさんに対する説明として、次のうち最も不適切なものはどれか。
1 )
「老齢厚生年金の支給開始年齢は原則として65歳ですが、昭和39年10月生まれのAさんは、60歳から報酬比例部分のみの特別支給の老齢厚生年金を受け取ることができます」
2 )
「仮に、Aさんが65歳になるまで厚生年金保険の被保険者としてX社に勤務した場合、65歳から支給される老齢厚生年金は、65歳到達時における厚生年金保険の被保険者記録を基に計算されます」
3 )
「Aさんが65歳以後に受給する老齢厚生年金には、妻Bさんが65歳に達するまでの間、配偶者の加給年金額が加算されます」
解答・解説
解答:1
1 )
不適切。原則、男性は「昭和36年4月2日以後生まれ」女性は「昭和41年4月2日以後生まれ」の場合は特別支給の老齢厚生年金を受け取ることができない。
2 )
適切。原則、受給権を取得した月以後の被保険者であった期間は、老齢厚生年金の額の計算の基礎とされないため、仮に、Aさんが65歳になるまで厚生年金保険の被保険者としてX社に勤務した場合、65歳から支給される老齢厚生年金は、65歳到達時における厚生年金保険の被保険者記録を基に計算されることになる。
3 )
適切。原則、厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある者が、65歳以降の老齢厚生年金が支給される時に、その者に生計を維持されている65歳未満の配偶者がいる場合に配偶者の加給年金額が加算される。
したがって1が正解となります。
FP試験対策キーワード
特別支給の老齢厚生年金
- 原則、男性は「昭和36年4月2日以後生まれ」、女性は「昭和41年4月2日以後生まれ」の場合は特別支給の老齢厚生年金を受け取ることができない。