出題内容について
遺族厚生年金の額・中高齢寡婦加算からの出題です。
設例
会社員のAさん(50歳)は、妻Bさん(47歳)、長男Cさん(16歳)および長女Dさん(13歳)との4人家族である。Aさんは、先日、友人が急逝したことを機に、自分が死亡した場合に備えて、残された家族が受給することができる公的年金制度からの遺族給付について知りたいと考えるようになった。そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。
〈Aさんおよびその家族に関する資料〉
(1)Aさん(会社員)
生年月日:昭和42年10月5日
厚生年金保険、全国健康保険協会管掌健康保険、雇用保険に加入している。
〔公的年金の加入歴〕

(2)妻Bさん(専業主婦)
生年月日:昭和45年11月27日
大学卒業後から28歳でAさんと結婚するまでは厚生年金保険に加入。結婚後、国民年金に第3号被保険者として加入している。
(3)長男Cさん(高校生)
生年月日:平成13年4月5日
(4)長女Dさん(中学生)
生年月日:平成16年8月7日
※妻Bさんは、現在および将来においても、Aさんと同居し、生計維持関係にあるものとする。
※妻Bさん、長男Cさんおよび長女Dさんは、Aさんと同一の世帯に属し、Aさんの健康保険の被扶養者である。
※妻Bさん、長男Cさんおよび長女Dさんは、現在および将来においても、公的年金制度における障害等級に該当する障害の状態にないものとする。
※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
問題
《問2》Mさんは、Aさんに対して、妻Bさんに支給される遺族厚生年金について説明した。 Mさんが説明した以下の文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。
「Aさんが現時点(平成30年1月28日)で亡くなった場合、妻Bさんに支給される遺族厚生年金の額は、Aさんの厚生年金保険の被保険者記録を基礎として計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の額の( ① )に相当する額です。また、長女Dさんの18歳到達年度末日終了により、妻Bさんの遺族基礎年金の受給権が消滅した場合、妻Bさんがその後に受け取る遺族厚生年金には、妻Bさんが( ② )に達するまでの間、( ③ )の加算が行われます」
1 )
① 4分の3② 65歳③ 中高齢寡婦加算
2 )
① 3分の2② 65歳③ 経過的寡婦加算
3 )
① 2分の1② 60歳③ 経過的寡婦加算
解答・解説
解答:1
「Aさんが現時点(平成30年1月28日)で亡くなった場合、妻Bさんに支給される遺族厚生年金の額は、Aさんの厚生年金保険の被保険者記録を基礎として計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の額の4分の3に相当する額です。また、長女Dさんの18歳到達年度末日終了により、妻Bさんの遺族基礎年金の受給権が消滅した場合、妻Bさんがその後に受け取る遺族厚生年金には、妻Bさんが65歳に達するまでの間、中高齢寡婦加算の加算が行われます」
したがって1が正解となります。
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中高齢寡婦加算と経過的寡婦加算
中高齢寡婦加算は、原則、老齢厚生年金の受給権者または受給資格期間を満たしている夫が死亡したときに、死亡した夫の厚生年金保険の被保険者期間が20年以上あり、生計を同じくしている子がいない40歳以上65歳未満の妻の遺族厚生年金に加算される。
その後、65歳に達して中高齢寡婦加算が打ち切られた後に、昭和31年4月1日以前生まれの妻に対して経過的寡婦加算が遺族厚生年金に加算されることになる。