出題内容について
民間の介護保険からの出題です。
設例
会社員のAさん(55歳)は、同じく会社員の妻Bさん(52歳)との2人暮らしである。Aさん夫妻には2人の子がいるが、いずれも結婚して独立している。
Aさんは、先日、生命保険会社の営業担当者であるファイナンシャル・プランナーのMさんから、介護終身保障保険の提案を受けたことを機に、現在加入している定期保険特約付終身保険を解約し、要介護状態になった場合の保障を充実させたいと思うようになった。
Mさんが提案した生命保険に関する資料は、以下のとおりである。
〈Mさんが提案した生命保険に関する資料〉
- 保険の種類 : 5年ごと利差配当付介護終身保障保険(死亡給付金倍率5倍)
- 月払保険料 : 12,850円(全額が介護医療保険料控除の対象)
- 保険料払込期間 : 終身払込(注1)
- 契約者(=保険料負担者)・被保険者 : Aさん
- 死亡給付金受取人 : 妻Bさん
- 指定代理請求人 : 妻Bさん
保険・特約の内容 | 保障金額 | 保険期間 |
---|---|---|
介護終身保障保険(注2・3) | 介護終身年金 年額60万円 | 終身 |
介護一時金特約(注2) | 介護一時金 150万円 | 10年 |
指定代理請求特約 | – | – |
( 注1 )
最保険料払込期間は、契約時に有期払込を選択することができる。
( 注2 )
公的介護保険制度の要介護2以上と認定された場合、または保険会社所定の要介護状態になった場合に支払われる。
( 注3 )
介護終身年金の支払事由前に死亡した場合、死亡給付金300万円が支払われる。介護終身年金が支払われた場合、死亡給付金額から当該金額が差し引かれる(5回目の介護終身年金が支払われた後、死亡給付金はない)。
※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
問題
《問5》次に、Mさんは、《設例》の生命保険の保障内容等について説明した。MさんのAさんに対する説明として、次のうち最も不適切なものはどれか。
1 )
「保険料払込期間を有期払込にした場合、毎月の保険料負担は減少し、保険料の払込総額も少なくなります。払込期間を有期として、払込満了後の保障を確保することも検討事項の1つとなります」
2 )
「Aさんが働けなくなった場合、収入の減少は避けられません。また、会社員である妻BさんがAさんの介護のために休職等をすることも想定されますので、一定額の介護年金および介護一時金を確保することは検討に値すると思います」
3 )
「介護終身年金の支払が始まると、死亡給付金の額が段階的に減少していきます。また、当該生命保険に入院・通院の保障はありません。定期保険特約付終身保険を解約される前に死亡保障・医療保障の必要性について確認しましょう」
解答・解説
解答:1
1 )
不適切。一般的に、保険料払込期間を有期払込にした場合、終身払込よりも毎月の保険料負担は増加します。また、一般的に、保険料の払込総額については、有期払込よりも生涯払込が続く終身払込の方が多くなります。
2 )
適切。収入の減少に備えて、一定額の介護年金および介護一時金を確保することは検討に値する事項です。
3 )
適切。介護終身年金の支払が始まると、死亡給付金300万円が60万円ずつ減少していき、5回目の介護終身年金が支払われた後、なくなることが設例から確認できる。また、介護保険の支払事由は、一般的に、所定の介護状態になったときであるため、定期保険特約付終身保険を解約する前に死亡保障・医療保障の必要性を確認する必要がある。
したがって1が正解となります。
FP試験対策キーワード
保険料払込期間
- 有期払込:一定年齢または一定期間で、保険料の支払いが満了する
- 終身払込:生涯、保険料の支払いが続く