出題内容について
相続税における課税価格の合計額の算出からの出題です。
設例
未上場企業X社の代表取締役社長であったAさんは、平成29年7月20日に病気により死亡した。Aさんの親族関係図等は、以下のとおりである。なお、Aさんは、平成20年10月に二女Dさんの配偶者であるEさんを普通養子としている。
<Aさんの親族関係図>

<Aさんの相続財産(みなし相続財産を含む)>
- 預金等の金融資産 · · · 3,000万円(相続税評価額)
- 自宅(敷地) ·········· 1,000万円(「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」適用後の相続税評価額)
- 自宅(建物) ·········· 1,000万円
- X社株式 ·············· 1億2,000万円(相続税評価額)
- 死亡退職金 ··········· 6,000万円
- 死亡保険金 ··········· 3,000万円(下記の生命保険契約によるもの)
<Aさんが加入していた生命保険に関する資料>
- 保険の種類 : 終身保険
- 契約者(=保険料負担者)・被保険者 : Aさん
- 死亡保険金受取人 : 妻Bさん
- 死亡保険金額 : 3,000万円
※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
問題
《問15》Aさんに係る相続税における課税価格の合計額は、次のうちどれか。
1 )
2億2,000万円
2 )
2億4,000万円
3 )
2億6,000万円
解答・解説
解答:1
相続税における課税価格の合計額は、下記の方法で算出します。
Aさんの相続に対する法定相続人の数は、「妻Bさん」「長女Cさん」「二女Dさん」「配偶者Eさん(Aさんの普通養子)」の4人となります。
1.死亡保険金の非課税限度額を算出
非課税限度額=500万円×法定相続人の数
500万円×4=2,000万円
3,000万円-2,000万円=1,000万円(死亡保険金の課税価格)
2.死亡退職金の非課税限度額を算出
非課税限度額=500万円×法定相続人の数
500万円×4=2,000万円
6,000万円-2,000万円=4,000万円(死亡退職金の課税価格)
3.設例の相続財産(みなし相続財産を含む)を合計する。
3,000万円(預金等の金融資産)+1,000万円(自宅[敷地])+1,000万円(自宅[建物])+1億2,000万円(X社株式)+1,000万円(死亡退職金)+4,000万円(死亡退職金)=2億2,000万円
したがって1が正解となります。
なお、被相続人に実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人まで養子を法定相続人の数に含めることができる。
FP試験対策キーワード
死亡保険金の非課税限度額
- 非課税限度額=500万円×法定相続人の数