出題内容について
住宅借入金等特別控除の適用からの出題です。
設例
会社員のAさんは、妻Bさん、長女Cさんおよび母Dさんとの4人家族である。Aさんは、住宅ローンを利用して平成29年8月に新築マンションを取得し、同月中に入居した。Aさんとその家族に関する資料等は、以下のとおりである。
〈Aさんとその家族に関する資料〉
- Aさん(39歳) : 会社員
- 妻Bさん(37歳) : 平平成29年中にパートにより給与収入100万円を得ている。
- 長男Cさん(7歳) : 小学生。平成29年中の収入はない。
- 母Dさん(71歳) : 平成29年中の収入は、老齢基礎年金のみであり、その収入金額は72万円である。
〈Aさんの平成29年分の収入等に関する資料〉
- (1)給与収入の金額 : 700万円
- (2)一時払養老保険(保険期間10年)の満期保険金
- 契約年月 : 平成19年5月
- 契約者(=保険料負担者)・被保険者 : Aさん
- 死亡保険金受取人 : 妻Bさん
- 満期保険金額 : 330万円
- 一時払保険料 : 300万円
〈Aさんが利用した住宅ローンに関する資料〉
- 借入年月日 : 平成29年8月1日
- 平成29年12月末の借入金残高 : 2,000万円
- ※住宅借入金等特別控除の適用要件は、すべて満たしているものとする。
〈Aさんが平成29年中に支払った損害保険料に関する資料〉
保険の種類 | 契約者 (保険料負担者) |
契約年月 | 年間支払保険料 |
---|---|---|---|
火災保険 | Aさん | 平成29年8月 | 27,000円 |
地震保険 | Aさん | 平成29年8月 | 12,000円 |
※上記の保険は、いずれもAさんの自宅を補償対象とする損害保険である。
※家族は、Aさんと同居し、生計を一にしている。
※Aさんとその家族は、いずれも障害者および特別障害者には該当しない。
※Aさんとその家族の年齢は、いずれも平成29年12月31日現在のものである。
※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
問題
《問11》 Aさんの平成29年分の所得税の確定申告(住宅借入金等特別控除の適用)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1 )
「住宅ローンを利用して自己の居住用住宅を取得した場合、住宅ローンの年末残高に所定の割合(控除率)を乗じて得た金額をその年分の所得税額から控除することができます」
2 )
「Aさんは、平成29年分の所得税から最長で10年間、住宅借入金等特別控除の適用を受けることができます。適用を受けるためには、毎年、確定申告を行う必要があります」
3 )
「平成29年分の所得税において住宅借入金等特別控除の適用を受けるためには、確定申告をしなければなりません。確定申告書は、原則として、平成30年2月16日から3月15日までの間にAさんの住所地を所轄する税務署長に提出してください」
解答・解説
解答:2
1 )
適切。住宅借入金等特別控除の控除期間及び控除額の計算方法は、居住の用に供した年が平成26年1月1日から平成33年12月31日までは、控除期間が最長で10年とされ、控除額の計算方法は1年から10年目の年末残高等×1%(控除限度額は原則40万円)とされている。
2 )
不適切。Aさんは、平成29年分の所得税から最長で10年間、住宅借入金等特別控除の適用を受けることができるが、控除を受ける最初の年分のみ確定申告を行う必要がある。2年目以後の年分は、年末調整で住宅借入金等特別控除の適用を受けることができる。
3 )
適切。確定申告書は、原則として、翌年2月16日から3月15日までの間に住所地を所轄する税務署長に提出することとされている。
したがって2が正解となります。
FP試験対策キーワード
住宅借入金等特別控除の適用を受けるための手続
- 住宅借入金等特別控除を受ける最初の年分のみ確定申告を行う必要があり、2年目以後の年分は、年末調整で住宅借入金等特別控除の適用を受けることができる。