出題内容について
退職所得の金額の計算式からの出題です。
設例
株式会社X社(以下、「X社」という)の代表取締役社長であるAさん(40歳)は、現在、生命保険会社の営業担当者であるファイナンシャル・プランナーのMさんから退職金準備や事業保障資金の確保等を目的とした2つの生命保険契約の提案を受けている。
〈資料〉Mさんから提案を受けている生命保険の内容
①長期平準定期保険(特約付加なし)
-
契約形態 :
契約者(=保険料負担者)・死亡保険金受取人=X社
被保険者=Aさん - 保険期間・保険料払込期間 : 98歳満了
- 死亡保険金額 : 1億円
- 年払保険料 : 200万円
- 65歳時の解約返戻金額 : 4,780万円
②無配当定期保険(特約付加なし)
-
契約形態 :
契約者(=保険料負担者)・死亡保険金受取人=X社
被保険者=Aさん - 保険期間・保険料払込期間 : 10年(自動更新タイプ)
- 死亡保険金額 : 1億円
- 年払保険料 : 28万円
※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
問題
《問7》仮に、将来X社がAさんに役員退職金5,000万円を支給した場合、Aさんが受け取る役員退職金に係る退職所得の金額の計算式として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、Aさんの役員在任期間(勤続期間)を29年3カ月とし、これ以外に退職手当等の収入はなく、障害者になったことが退職の直接の原因ではないものとする。
1 )
〔5,000万円-{800万円+70万円×(30年-20年)}×1/2=1,750万円
2 )
〔5,000万円-{800万円+70万円×(29年-20年)}×1/2=1,785万円
3 )
〔5,000万円-{800万円+40万円×(30年-20年)}×1/2=1,900万円
解答・解説
解答:1
退職所得の金額は、原則として、下記の方法で計算します。
(収入金額(源泉徴収される前の金額)-退職所得控除額)×1/2=退職所得の金額
次に、勤続年数が20年超の場合の退職所得控除額は、原則として、下記の方法で計算をします。
800万円+70万円×(勤続年数 – 20年)
勤続年数の端数月数は1年に切上げをして計算をします。
Aさんの役員在任期間(勤続期間)は29年3カ月のため30年に切り上げます。
〔5,000万円-{800万円+70万円×(30年-20年)}×1/2=1,750万円
したがって1が正解となります。
FP試験対策キーワード
退職所得控除額の計算方法(原則)
- 勤続年数が20年以下:40万円 × 勤続年数(80万円に満たない場合には、80万円)
- 勤続年数が20年超:800万円+70万円×(勤続年数 – 20年)